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映像でもお楽しみいただけます。
Wインタビュー
横田誓哉:よろしくお願いします。
山本耕平:よろしくお願いします。
わっしょい米子祭り開催について
横田誓哉:第1回、第2回とわっしょい米子祭りを開催して、去年はコロナウイルスの感染拡大によってリモートでの開催となりました。今年はまだコロナの感染は収まってない中ではあるのですが、コンサートという形で、できる限り感染拡大防止の方法をとった上でやっていくことも大事なんじゃないかと思っています。無理にコンサートをしていくというよりは、あくまで”コンサートをやっていく”ということは止めずに、感染が酷い状況であれば再考するということも覚悟の上で、開催を目指して決意しました。
わっしょい米子祭りは、米子の音楽文化を元気にするというテーマの下で、地元の音楽団体や吹奏楽部に出演していただいています。そこのテーマがブレてしまうと、わっしょい米子祭りではないかなと。
今回も合唱部や吹奏楽部の皆さんと共演させていただくことになりました。そして山本耕平さんに出演していただくということで、学生さんとのコラボレーションをする中でも、感染をどうやって防ぐことができるのかということはスタッフ皆で協議しています。
舞台関係の方は今までのコロナと向き合って1年以上になると思うのですが、そういう皆さんの力を結集して、なるべく気を付けながら取り組んでいます。もちろん出演者である僕たちBBBBや耕平さんもPCR検査を受けたり、なるべく演奏時以外はマスクの着用をしたり、アルコール消毒や検温を楽屋周りに配備して準備を進めています。去年のリモートでもそういったことを行っていて、そういうノウハウを更にレベルアップさせて、感染対策を強く行っていきます。
お互いの活動・活躍について
横田誓哉:僕は耕平さんを学生時代から、ジャンルは違っても僕の中で音楽家に一番近い存在だったというか、そういう意味でずっと今まで尊敬している米子の先輩、高校の先輩です。尚且つずっと挑戦されていて、自分に対して厳しく切磋琢磨されている姿が、僕の中でのプロミュージシャンの鏡のように感じています。
耕平さんが教育実習で東高に来られた時も、当時から耕平さんは絶対にプロの音楽家になられる方だと聞いていました。実際の歌を聞いても凄くて、耕平さんは何で教育実習に来てくださっているのだろう、と思うくらい伝説の方です。僕に限らず周りの皆にとっても。
山本耕平:教育実習で出会った時は、僕もまだ音楽の道で行くのか、教員になるのかという頃だった。中学生でドラムのコンペティションで早々と勝ち、こんな音聞いたことないぞというドラムの音が吹奏楽部の部室から鳴っていて。
どちらかというと僕から見ると、早い人は最初から違うんだと、逆にプロってこういう人がなるんだろうなという気持ちがしていて。なのに「皆でやるのが好き」とか言って、トライアングルとか練習しているわけですよ。ドラムは人に明け渡してね。それが後のビッグミュージシャンになるんだけど。
だからそういうのって、精神性も研ぎ澄まされているというか、ガツガツしていないというか、でも負けん気もあるし。「皆のこういうところが凄いな」と、ぼそぼそ言っているわけですよ。だから何度も言いますが、なるほどこういう人がプロでやっていくんだと思いましたね。自分はどちらかというと努力型というか、不器用なので積み重ねていくしかないと思っていたから。本当はこっちの陰にも努力が沢山あるということは分かっていくんだけど。そういう目で見ていました。
共演について
共演についての想像・予感
横田誓哉:僕は共演したいということもなかなか思えないくらい、ジャンルの違いももちろんのこと、全然ステージが違うと思っていました。共演できるということが、今回は想像外のことというか、だからこそ楽しみな部分があります。共演できるとなるとお互いにアイディアが色々出てきて、なんか良いタイミングだったのかなと思っています。
山本耕平:これまでの僕らは、お互いが「頑張ってんな」っていうのを励みにしつつ、自分らの世界を深めていく、育てていく期間だった。今は本当に自然に、一緒に何かやれることがありそうだとイメージが広がるタイミングだったと思います。
出演オファー
横田誓哉:去年も、第3回わっしょい米子祭りの開催は計画し発表していたのですが、去年の8月に新型コロナウイルスの感染が拡大してしまい、そこから開催を断念することになって、中止を発表しました。
開催を断念するに至った経緯や、今どういう気持ちかということを気にかけてメッセージをくださりました。来年は行いたいということや、これで諦めるのではなく、わっしょいはずっと続けていくので、よかったらいつか出演していただけたら嬉しいということをお願いしました。
ダメ元というかそういう気持ちで、まさか受けてくださるとは思わずに、メッセージで失礼だったのですがお願いしたところ、出るよと言ってくださって。そこからどんどん正式に決まっていって。発表に至り、やっとここまでたどり着けたなというところで。そういう経緯でした。
山本耕平:ライブに誘っていただいて見に行ったこともあったので、どんなサウンドか、どんな風にパフォーマンスしていらっしゃるのかということは生で触れていました。その時、ここに自分が何ができるかなということはすぐには浮かんでないんですよ。
でもそれが時間と共に、これはこういう表現できるなとか、もしくはその後の自分の成長によってこういうことが可能かもしれないという思いが湧いてくるんだけど。聞いた瞬間はもちろんご一緒したい、故郷で一緒に行動したいと思いつつ、不安もあった(笑)
横田誓哉:そうですよね(笑)
山本耕平:自分でお役に立てるのかしらという思いもありながら、でもやりたい気持ちが勝った感じでしたね。
当日の構成やコラボレーション
様々な組み合わせでのコラボが楽しめる
横田誓哉:まずコラボレーションというのがわっしょいのテーマなので、今回出演していただく米子北高校吹奏楽部の皆さんだったり、鳥取県西部合同合唱部の皆さんと、BBBBが共演したり、そこに耕平さんが共演することで、米子市の音楽と、BBと耕平さんのコラボをぜひ行いたいと話していて。
意見や提案を今話し合っているのですが、なんかすごく良いものになるのではないかと思っています。意外とジャンルが違うと言えども、重なる部分があったり、重ならないからこそ面白いんじゃないかというところがありそうで、そこは今回限りの化学反応でコラボレーションが行えるんじゃないでしょうか。
山本耕平:コラボレーションは、お互いが苦手なことをやって質が下がってしまうなら、それはコラボじゃないんですよね。お互いのプロフェッションを生かしつつ、でも普段やっていないぎりぎりの所まで探していく。
僕もメンバーの方々のお顔やどういう風にパフォーマンスしていらっしゃったかは覚えているので、あの人がこの曲でこういう風にやったら、クラシックのこの曲もこういう風に聞こえるんじゃないか、という提案をお互いにしながら今選曲をしています。
そういったところが、お客さんの視覚的にも分かるような新しい色々な組み合わせを見てもらえるんじゃないかと思います。
鳥取県西部高等学校合同合唱団
横田誓哉:僕は歌を歌わない人間ですが、それでも羨ましいです。だってプロミュージシャンでも、耕平さんと共演するのはなかなか難しいと思うんです。合唱部の皆様からしたら、本当に神様みたいな耕平さんとの共演を高校時代に経験できるというのは、後々音楽家にならないとしても、すごく大きな体験になるんじゃないでしょうか。
山本耕平:そうですね、とても楽しみですね。僕が高校の時に、音楽を通して色んな世代の人と共演できた経験があって、やはりそれが楽しかったとか、卒業してからも地元に帰って音楽をやりたいという感情に繋がっています。東京で活動しているけれども、故郷に帰って演奏したいというモチベーションの大きな元になっているので、こうした音楽に、年齢や立場を超えて一緒になれるという力があるということは、すごく良いエネルギーをもたらしてくれる。それが一つポイントになって、楽しみな点です。
コロナでマスクをしていて少し難しい時期だとは言うんですけど、マスクをしているからこそ、実は今こういう勉強をできるよという、声楽的なマニアックなポイントも沢山あるので、その辺りもガンガン伝えていきたいなという、僕の勝手な野心もあります(笑)
横田誓哉:僕が打楽器という関係で、ちゃんとした伴奏ができる楽器ではないので、二人だけでの共演というのは難しいのかもしれないですけれど。こういう状況になって、わっしょいのもう一つのテーマ、もっとコンサートに気軽に足を運んでいただきたいというのが難しい状況になってしまっています。
コンサートについて音楽家がどう思っているかとか、どういう風にコンサートを感じていただきたいかというのは、わざわざ口で説明するのは野暮なのかもしれません。
しかし、僕はわっしょい米子祭りだからこそ、時間があれば、耕平さんとお話しする機会があればいいと思っています。
山本耕平:編曲の途中のものもあるから、部分的にそういうことも可能なのかな。それが一瞬見えたら、「おっ!」みたいな瞬間になるかもしれないな、というアイディアを今いただきましたけど、もちろんメッセージを伝えるという場面もそうだし、そういう形もあったらいいですね。
こういうちょっとしたアイディアで最終形は変わっていくから、いいね(笑)
横田誓哉:このインタビューで変わったかもしれませんね(笑)
最後に
横田誓哉:米子の音楽文化をもっと盛り上げたいという思いと、もっとコンサートに気軽に足を運んでいただきたいという気持ちがあって、両方ともコロナの影響もあり、かなり難しい状況になっています。
学生さんも、なかなか演奏の機会が無く、練習さえままならない状況が続いています。そんな中で、わっしょい米子祭りが一つ、小さな影響だとは思うのですが、学生さんたちに演奏の機会を作り、米子市に一つコンサートがあるということを大事にして作っていきたいです。そのために実行委員会でも感染対策を主に、どうやったら安全に楽しんでいただけるかということを考え、日々準備しております。
今回内容については、北高吹奏楽部さんや合同合唱部の皆さんももちろんですし、ゲストも山本耕平さんということで、絶対に素晴らしいものになると思っているので、ぜひわっしょい米子祭りに足を運んでいただきたいです。
山本耕平:当たり前のことなんですが、聞いてくださる方あっての演奏、というのは活動を続けていく中で、より強く思うようになっています。お客さんには気軽に来ていただきたい、楽しんでもらいたいというのはもちろんあって、それでもちろん成立しているんだけど。
加えて、お客さんたちがその場を作ってくれて、その雰囲気が演奏に新しい影響を及ぼしてくれて、その時にしかない素晴らしいことができると思っています。
ぜひこの動画を見ていただいた方には、もちろん我々の全力を見に来てほしいのですが、それだけではなく、今回出る子たちが限られた期間でここにエネルギーを注いでくれているので、それをぜひ応戦するという気持ちも持っていただいて、一緒に作っていきたい、というのが僕の気持ちです。
横田誓哉:ありがとうございました。
山本耕平:ありがとうございました。
この記事の出演者
横田 誓哉(BLACK BOTTOM BRASS BAND)
1991.10.30生まれ 鳥取県米子市出身。
幼い頃から父の影響でドラムを始め、10歳で地元のバンドを掛け持ちしながらライブ出演を重ねる。
上京後、BLACK BOTTOM BRASS BANDにスネアドラマーとして参加。後に正式メンバー加入。
全国各地にてホール公演や海外のフェス出演の他、綾戸智恵氏など著名なミュージシャンとの共演を行なっている。
個人でもDEPAPEPE、平井堅、西野カナ、ゆず、Official髭男dism(順不同、敬称略)などのレコーディングやテレビ、ライブ出演、アレンジを行う。これまでに江川ゲンタ氏、東原力哉氏に師事。
2014年より米子市ふるさと大使を務める。
2018年から鳥取県米子市にて「わっしょい米子祭り」を実行委員会の代表として毎年企画、開催している。
山本 耕平
東京学芸大学教育学部音楽科クラリネット専修を経て、東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学大学院首席修了。イタリアにて研鑽を積む。イタリア声楽コンコルソ・ミラノ大賞部門第1位、日伊声楽コンコルソ第1位及び歌曲賞等多数受賞。
オペラはこれまでに、二期会『ドン・カルロ』タイトルロール、『リゴレット』マントヴァ公爵、『後宮からの逃走』ベルモンテ、『金閣寺』柏木、『天国と地獄』オルフェ等次々と大役を演じる。今年8月の二期会『ルル』においては、表現豊かな演唱で高い評価を得た。
コンサートでも「第九」をはじめ、「NHKニューイヤーオペラコンサート」、「ららら♪クラシック」、「東急ジルベスターコンサート」等メディアへの出演も多い。今後は、21年11月日生劇場『カプレーティとモンテッキ』テバルドに出演予定。
「Mi manchi」「君なんか もう」など2枚のソロアルバムをリリース。CHANEL Pygmalion Days ARTISTS。
鳥取県米子市出身。米子市首都圏観光大使。とっとりふるさと大使。二期会会員
山本耕平オフィシャルwebサイト